なぜこの本を借りてきたかというと、旅のルートにルーマニアがあったからです。
もしかして、と開いてみていつも裏切られること多かったから、エーッとびっくりしました。
ルーマニアのところだけ読もうと思って、実際ルーマニアの章を先に読みました。
ドナウ川に沿って旅する紀行文でしたから、ルーマニアは最後の国でした。
宮本輝さんのイメージが変わりました。
写真と文章もイメージか重なりませんでした。
で、たぶん全部読まないだろうなと思ってたのですが、出だしを読み出したらもうちょっともうちょっととなり、案内役の記者さんとのケンカもあからさまに書いてあって俄然面白くなってきました。
ハンガリーだかユーゴスラビアだかのところで、「じつに見事なたたずまいの樹木」なんて表現に出会って、ますますやめられなくなりました。
旅のルートは、西ドイツをスタートして、オーストリア、ハンガリー、ユーゴスラビアを通って、ブルガリアに入り、ルーマニアのスリナを目指します。
1982年の旅ですので、ハンガリーからは東側の国でした。ルーマニアは、チャウセスクの時代。
1982年といえば、ぼくが就職した年だぜ。
なんだか深夜特急を読んでるみたいな気になって、とうとう読み切ってしまいました。
ユーゴスラビアなんて呼び方が懐かしかったし、宮本輝さんの魅力にちょっとはまりそうな予感。
チップの渡し方のくだりなんて、人の心がよくわかってるなあと、嬉しくなりました。