中脇初枝著。
この本を手にとったきっかけは、帯に宮下奈都さんが推薦文を書いていたから。
新しい版と古いのが並んでましたが、それでわざわざ古いのを買いました。
新しい方の帯には何かの賞を受賞したことが書かれていて、宮下さんの推薦文は消えていました。
小さな町の名もない人たちの悲しい物語。
五つの小品からなっていて、それぞれ独立した物語なんだけど、何処かで登場人物たちがすれ違っています。
それでも悲しいままでは終わらない。
「サンタさんの来ない家」
「べっぴんさん」
「うそつき」
「こんにちは、さようなら」
「うばすて山」
の五篇。
どんな人生を経て菊池さんはここに暮らしているのだろう。
というフレーズが、この作者の人となりを表しているようで、何度も読み返しました。
読み終えて、すごい本だなあと思ってもう一度帯をみると、「ものすごいことが書かれている」と宮下さんも書いていて、あら同じ思いだったんだとちょっとうれしくなりました。
