いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

トラや

読み終わりました。
南木佳士著『トラや』(文春文庫)
二階の部屋で、じわっとくる感動にひたっています。本を読み終わって直後のけだるいようなしびれたような不思議な感覚が好きです。
この本は特にそんな気分になるいい本でした。
うつになってしまった内科医の男の気持ちが身につまされたし、母猫に置き去りにされてこの家に飼われ家族を結びつける存在になったトラが愛おしく思いました。
学校から帰ってからすぐ、かねてから気になっていた肘の痛みが悪化してお医者さんにいったのですが、待合室で読んだのがトラが前脚が動かなくなって帰ってくる場面でした。
そこから一気に引き込まれました。
猫が死んでいなくなった最終章の余韻に浸りながら、横で寝ているミュウミュウニャンちゅうを眺めています。