さすが吉野万理子さん。また新しいスタイルで書いてはる。
主人公は、34人いる。
それぞれの章はせいぜい6ページくらいなんだけど、それらが繋がって壮大な物語が流れていく。
その中心は野球部の上里くんと生徒会長の綾夏。
ことの起こりは、野球部の部員たちが丸刈りにしないといけなくなったこと。
多くの女生徒の憧れの的の上里くんが丸刈りになるのが許せない合唱部や家庭科部、応援部の面々が、それぞれになんとかしようとする。
立場が変わると見方も変わり、ことの真相が読者にも分かるようになる。
上里くんと綾夏がこっそりと付き合っていたことがうわさになり、やがて別れてしまったことに周りの注目が集まる。
別れた理由が、今度は読者に示される。
そして5年後。プロ野球選手になった上里くんと綾夏の結婚が発表されると、20歳で結婚なんて、とまた周りがうわさする。
その真相がまたまた読者に明かされる。
同じ人は2回主人公にならずにうまく語られています。