寺川枝里子さんの漫画。
ご主人と二人で迎え入れた仔猫は、漏斗胸という先天性の病気だった。
体の成長とともに、胸骨が内側に成長していき、肺や心臓が圧迫される。
3ヶ月以内の命、と宣告される。
どこの動物病院でも、治療はできないと断られる。
でも、いったん引き取ったからには、諦めなかった。
とうとう手術してくれる先生を見つける。
胸骨を糸で引っ張る手術なのだが、せっかく上手くいってもはしゃいで動いてしまって、支えていた骨が折れてしまう。
小さい体なのに、2度3度と手術を受けることになる。
それでも、トゥポルはそれを乗り越える。
しかし、期待もむなしく数週間後の検査が思わしくない。
先生はその度に、飼い主さんを励まして、希望を持たせてくれる。
5ミリの骨にドリルで穴を開け、ワイヤーを通す。
肺や心臓を傷つけないように、自発呼吸を完全に止めて人工呼吸で手術する。
小さなトゥポルがよく耐えたなあと思う。
難病でも精一杯生きる子猫と、なんとかして助けようとする飼い主さんと獣医さんの物語。