菅野雪虫さん作。
『チポロ』『ヤイレスーホ』の続編。
もう前に読んだ物語はすっかり忘れていたが、読みながら少しずつ記憶が蘇って来た。
まるで物語の中の、イレシュのようだ。
イレシュは、自分が魔物にされていた記憶をヤイレスーホからすっかり消されている。
そのおかげで、ススハム・コタンでチポロと幸せに暮らしていた。
といっても、チポロは弓の名手になって、地上に残った唯一の神シカマ・カムイの家来になって旅をしている。
イレシュと一緒に暮らしているのは、娘のレラとランペシカ。
ランペシカは前の戦いの後、チポロに引き取られた。
右手の手首から先がなく、器用なイレシュの弟マヒトから手甲を作ってもらい、その先に弓を取り付けている。チポロのような弓の名手を目指していた。
そこに現れるのが、蛇の化身のヤイレスーホだ。
どこか影のあるヤイレスーホは、完全な敵として憎みきれない。
この巻では、ランペシカがカムイ・ミンタラへレラを連れ去ろうとするヤイレスーホやオキキルミと戦いながら、成長していく。