さとうまきこさんが「ウツ」とともに過ごした12年間をまとめた一冊。 まえがきの次の部分で、この本は間違いなくいい本だと思いました。
ゲラを読むと、過去の暗い日々に引き戻されるのではないかと不安だったのだが、そういうことはおこらなかった。それどころか、推敲をしながらしみじみと思ったことがあった。それは、私はこのウツという道筋を通らなければならなかったということだ。私が私という人間であったがゆえに、私はそこを通らなければならなかった。そうしなければ、現在の私に「変容」できなかった。新しい自分に生まれ変わることができなかったのだ。たぶん、いや、きっと、そういうことなのだろう。
ウツのおかげで自分が生まれ変わったと書くさとうさんのこの一冊は予想に違わず心に響く文章でした。
長いトンネルを抜けて、久々にほこりをかぶったノートパソコンを開けて文章を紡ぎ始めた一文はぐっときました。これからもずっと書き続けてほしいです。
