いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

沖島へ

船のおっちゃんは、ポケットに手を突っ込んで愛想もクソもない。
観光船ではないから、当たり前か。
乗船券は船の券売機で買い、乗っている間におっちゃんがもぎってくれる。
島への郵便も積み込まれていた。
出航の合図も何もなく走り出す。
波もなく穏やかな琵琶湖を快調に進む。
黒い水鳥が船の進路を避けて、羽ばたいては逃れていく。
やがて、島の景色がはっきりしてきた。
木造の建物は小学校か。
船でたった10分で、別世界にやってきたみたい。