椋鳩十全集14。
壮大な物語でした。
鹿児島県と宮崎県の県境にある四浦の狩人源助じいと、3匹の子を連れた大きなイノシシのカガミジシとの闘いの物語。
イノシシの体にはダニがたくさん付いていて、それを取るためにぬた場という泥地で転げ回って体に泥をつける。
泥が乾いたら松の木の幹に体を擦り付けて泥を落とす。
何年も生きてきたシシは、毛皮が鉄のように固くなって、そこに日の光が当たると反射して輝くのだという。
それでカガミジシと呼ばれる大イノシシは、狩人の頭領の源助じいから追われることになる。
何度も追い詰めながら、カガミジシの賢さと大胆さに負かされてしまう源助じい。
3匹の猟犬さえ失ってしまうが、カガミジシを追い求めて、何日も足跡を辿り待ち伏せする。
なんとかカガミジシが助かるように祈りながら読んだが、子どものイノシシを守るためにとうとう撃たれてしまう。
しかし、手負のまま逃げて15日後に河原で力尽きる。
源助じいは、その肉を狩人たちに分配せず、その場で燃やして天に帰してやる。
図書館のおすすめ本の中にあって、読むことができた。
おすすめしてくれた人に感謝。