スズキナオさん作。
この人の文章はとても読みやすい。
沈んだ気持ちの時もスッと頭に入ってきて、引き込まれる。
東京でサラリーマンをしていたが行き詰まり、奥さんの実家のある大阪に移住してフリーライターをしている。
「それから」というのは、コロナで大きな影響を受けてからということ。
14の場所や人を取材している。
取り上げている項目が大阪らしく、大阪人より深く大阪を追求している。
例えば天満。あんなごちゃごちゃしたところから取材をスタートさせている。
夢洲、石切さん。西九条の立ち飲み、えべっさん、花博記念公園、船場センタービル、四天王寺の縁日、ちんどん通信社など、観光案内には載っていないかもしれない大阪を、よくぞ取り上げてくれたと拍手したくなる。
なんとなくしか知らなかったことが、この本で知識を深められた。
四天王寺のお大師さんは弘法大師の命日の21日で、22日にも露天が出るのだが、それは聖徳太子の命日だからと初めて知った。
西九条高架下の改築で閉店になった立ち飲み「こばやし」は、おかみさんが長居で惣菜屋さんを始めたというから、一度ぜひ覗きに行きたい。
ユートピア白玉温泉には、機会を見つけて行って見たい。
この本で思い出して、石切神社にはお百度をしに行きたかったが、体調を考えて自粛せざるを得ない。
コロナ後の「それから」は、まだしばらく先のようだ。