我孫子武丸さん作。
弓道の奥深さを初めて知った。
的に当てるだけでなく、品位や品格までが滲み出る。
試合に負けた後の、中田先輩の言葉がとてもよかった。
「最後の一本ね。勝負に負けたことは確かだ。でもきっと、分かる人には分かる。君はずっと彼女を圧倒していたよ。あの外れた一本でさえ。」
奥さんは10年以上弓を続けておられて、5段にまでなられたそうだ。物語に書くからには、自分も少しはやってみないとと、2年前にはじめて初段にまでなったらしい。
この人らしく、ミステリー仕立ての7つの物語で、悩みながらも凛の成長していく様子が気持ちいい。