いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

「リベンジする」とあいつは言った

朝比奈蓉子さん作。

おもしろかった。

 

休み時間に机に突っ伏してたら、誰かがどんと当たってきた。

ムカついて突き飛ばしたら、そいつのメガネが落ちた。

それを拾い上げて教室の後ろにいた橋口に投げた。

橋口はメガネを窓際にいた山下に投げて、三角形でメガネのキャッチボールが始まった。

メガネを取られたのは、転校してきたばかりの相馬だった。

ごめんなさい、返してください、と言うのを無視して、しばらく返さなかった。

教室のみんなも誰も止めなかった。

翌日、相馬は学校を休んでいた。

帰り道に、歩道と車道の区別がつかず、転んで足を骨折したのだ。

担任の先生の問いかけに、みんな口をつぐむ。それどころか山下は、違う話をでっち上げて、相馬が悪かったように言う。

主人公だけは、後悔して病院にお見舞いに行く。

謝りたかったけどうまく言葉にできず、相馬の要求をどんどんきいてしまうことになる。

アイスを持ってきてほしい、学校の机の中に置きっぱなしにしてた腕時計をとってきてほしい、給食でコッペパンが出たら届けてほしい、とエスカレートする。

退院した後も、相馬の家の犬バニラの散歩を毎日させられるようになってしまった。

相馬の家の事情を知るようになって、主人公はだんだん相馬がかわいそうに思えてくる。

 

f:id:kuroneko356:20221109112505j:image