赤坂パトリシアさん作。
とてもいい物語でした。
後半は読み進めるたびに、気持ちが込み上げてきて、涙が滲みました。
主人公は、学校に行けなくなったユキノ。
今まで、不登校が解決するって学校に行けるようになることだって思ってましたが、全然違いました。
ある時、もうずいぶん前にやめてしまったたばこ屋さんに、「まじょはじめました」という貼り紙が。
昔ネコをたくさん飼ってたので、ネコばあさんって呼ばれていました。
そこのお家にいたのは、ニワトコさん。
英国から来た男の人です。
彼が魔女。
母が日本人なので、見た目は日本人ですが、母親が亡くなったので大学を休学して、知り合いのネコばあさんの家に来たのです。
外に出ることもままならなかったユキノが、ふとしたきっかけでニワトコさんと知り合い、彼がつくる少し変わった食事に気持ちを癒されていきます。
ユキノが不登校になった原因はお母さんとの関係。
よかれと思ってユキノのためにしてくれていることの全てが、重荷になっていたのでした。
日本人なのに髪を金色に染めたリリさんが、お巡りさんから外国人登録証を見せろと言われてキレてしまったけど、そのあとユキノが出会ったときリリさんが連れていた彼がそのお巡りさんだったという話には、思わず笑ってしまいました。
時々、本当になんてことない、日常の中にあるものが、魔法を持つことがある。
この一文は、いいなーと思いました。星マークを100個くらいつけたい。
お父さんお母さんの前では、口籠もってしまうユキノですが、思い切ってお父さんと話したとき、
分かった。ちゃんと話を聞くよ。始めてごらん。
と言ったお父さんはステキでした。
この物語に出てきたニワトコさんの料理、いくつか真似してつくってみたい。