川村たかしさん作。
川村さんといえば、『山へ行く牛』だ。
と言うか、それしか知らなかった。
図書館のカウンターわきに、段ボールに入れられて、「こちらも貸し出しできます」と書いてあった中の一冊です。
1982年刊。ちょうど、就職した年だ。
8冊ほどある長編です。
ペラペラめくってみて、川村さんが五条の人だと知った。
もっと遠くの、例えば長野県とか東北の人かと思っていた。
これは、長い旅になるけど、読んでみなければ。
第一巻のこの巻では、十津川村が大山津波で大変な被害を受け、北海道の新天地を求めて渡り住むまでの物語。
主人公は、フキ。
一瞬の隙で両親を山津波で亡くし、兄といっしょに大変な思いをして北海道に渡るが、兄は屯田兵に憧れていなくなってしまう。
世話してもらっていた菊次の家族からも引き離され、滝川の知り合いの家に下働きとして連れて行かれるところまで。