なんていい物語なんだろうと思いながら、読みました。舞台は沖縄。
上條さなえさん作。作者は、小学校教員を経て、作家になった人。
埼玉県の教育委員会の委員や委員長を務めた人だ。
珊瑚のクラスメイトのおばあちゃんは、辺野古の埋め立て反対の座り込みに行って警察に捕まった。それでも、へこたれはしない。
珊瑚のおばあちゃんのルリバーもいっしょに行きたいけど、バス代が高いから行けない。
こんな出来事が挟み込まれているだけでも、この作者の願いがひしひしと伝わってくる。
珊瑚は、6年生だけど漢字もまともに書けないくらい勉強が苦手。
だけど、詩音にバカにされないためにがんばり始める。
沖縄民謡の歌い手を目指していこうと、心に決める。
表紙の月という字のなかに「るな」、珊瑚の字の間に「さんご」と小さく書かれているのが、心にくい。