ダイアナ・キッド作。
オーストラリアの学校に通うナムは、なかなかみんなにうちとけられない。
いっしょに遊ぼうと誘われても、首を横に振るばかり。
いじめられても、声が出せない。
かばってくれる子もいるけれど。
思う出すのは、ベトナムのことばかり。
小さな船で、何百人もぎゅうぎゅう詰めになって逃げてきた難民だ。
父さん母さんや妹たちは、どこに行ったのかも分からない。
船でいっしょにいたおじいちゃんも力尽きて亡くなってしまった。
作者は難民や、アボリジニとの共存を願っていた人だが、事故で亡くなってしまったそうだ。
絵は、佐藤真紀子さん。