今西乃子さん文。
千葉市動物保護指導センターの物語。
3人のボランティアさんの熱意で、譲渡される犬猫が増えた。そのおかげで、ここでは処分機による殺処分はしていない。
高速道路で轢かれた犬が連れてこられたときも、下半身が麻痺して歩けない犬を引き取る人なんていないと思いながら、新しい飼い主さんを募集した。
万が一は、ゼロではないという信念のもとに。
何回か期限を伸ばしてもらい、ついに京都から引き取ってもよいというメールが来た。ただし、かかりつけの三重県の動物病院まで連れてきてほしいという条件だった。
車に乗せ、片道7時間かけて連れて行った。それをボランティアさんがするのである。
しかし、その動物病院の医師は、あろうことか安楽死をすすめた。
やむなく連れて帰ろうとした時、やっぱり見捨てることはできずに飼ってくれることになる。
しんのすけと名付けられ、幸せに暮らしているのだそうだ。
飼い主に一度は捨てられてしまった犬や猫を幸せにしてあげることが、ここの仕事だ。
かわいそうと言っているだけでは解決しない。何ができることはないかとウズウズする。