冒頭で「リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ」の意味が明かされる。
マレーシア語で、「五・七・五・七・七」のこと。
帰国子女の沙弥は、日本の中学校に転校して来て、できるだけ目立たないようにして来た。
なのに、一学年上の図書委員の督促女王に目をつけられ、放課後に図書室に呼びつけられる。
無理矢理連れて行かれたのは、「ぎんこう」。
銀行だと思いドキドキハラハラしていたら、なんと「吟行」だった。
沙弥の出席番号が31番だったからだと言われる。
絶対無理だとマレーシア語で返事した言葉が短歌になっていた。
それから、督促女王佐藤さんの吟行に付き合うことになる。
佐藤さんは我が道をゆくタイプで友達はいないけど、図書室の司書の七海さんにかわいがられていた。
七海さんのセリフから、インドの図書館学者ランガナタンのことを初めて知った。かれは、図書館学の五原則を提唱している。物語の中で七海さんは、それを知ったとき、雷に打たれたみたいに感動したと言っている。
給食の時間になるといなくなってしまう藤枝くんが気になる沙弥。
沙弥がマレーシアに行く前に時計を買ったお店の子だ。
佐藤さんは、藤枝くんのことをよく知っているみたいだ。
藤枝くんのお父さんは再婚して、マレーシア人のお母さんができたのだった。
時々出てくるマレーシアの食べ物がとても気になる。
ナシレマ(ココナッツミルクで炊いたご飯)やピサンゴレン(バナナを油であげたスイーツ)を作ってみたくなった。
7章の物語なんだけど、数字の下にさりげなくマレーシア語の読み方が書いてあるのも心憎い。
1 サトゥ 2 ドゥア 3 ティガ 4 ンバッ
5 リマ 6 ンナム 7 トゥジュ
こまつあやこさん作。