いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

語りつぐ者

今まで何度か手に取ったけど、表紙の絵がどうしても読むのをためらわせていた。

パトリシア・ライリー・ギフ作。もりうちすみこ訳。訳者は、『スカーレット』の訳者でもある。

読み終えて、表紙のズィーの絵が前と違って見えるようになった。

この絵は、アメリカ独立戦争の時代に王党派にお母さんを殺されたズィーが、同じ村出身のミラーに羊皮紙に描いてもらった絵。

家を焼かれた時に両手にひどい火傷を負ったので、手は描かれていない。

愛国派として戦いに行った父と兄を追って、自らも戦場を体験する。

そのころは、隣人同士が王党派と愛国派に分かれ、インディアンも巻き込んで、争っていた。

現代に生きるエリザベスが、母方のおばさんの家で見つけたズィーの絵から、祖先の物語をたどってゆく。

エリザベスとズィーが、交互に語るように物語が進んでいく。

どの人にも、語りつぐ物語があるのだと気付かせてくれる。

 

猫のルーシーは、どうなったろう。

 

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