とてもいい本だった。
どんな英文がこんな日本語になるんだろうと思えるほど、味のある文章だった。
訳者の腕が光っている。
作者ジェームズ・ボーエンのたどったこれまでの人生も目が離せなかった。
ヘロイン中毒からの離脱、路上生活、ビッグイシューの販売員としての暮らし、子供の頃両親が離婚し母にオーストラリアに連れて行かれたこと。
13歳の頃はパースの小児病棟で過ごすことが多かったそうだ。
ボブと出会ったことで、前向きな気持ちに変わっていくが、元々のこの人の持っているものがボブを引きつけたんだろう。
ボブを初めて知ったのは、ビッグイシューの表紙で。
そのあと、映画を観た。
この本は2冊目の本だ。
ボブと同じ茶トラのニャンちゅうを膝に乗せて読み終えた。
ニャンちゅうはボブのように賢くなくどこにでもいる野良ネコの一匹だが、ぼくにとってはかけがえのない一匹だ。