ステイシー・マカナルティ著。
田中奈津子訳。
この人は、『はるかなるアフガニスタン』や『こちら「ランドリー新聞」編集部』『ぼくたち負け組クラブ』なども訳した人だ。
主人公のルーシーは、数学の天才。
計算はどんな大きな数も暗算でできるし、円周率も314桁まで暗唱する。
4年前雷に打たれて、そんなパワーが備わった。
でも、困ったこともある。
すわるときに、必ず立ったりすわったりを3回繰り返さないとすわれない。
すわって、立って、すわって、立って、すわる。
緊張すると、片足でトントンをしたり、頭の中に数字がいっぱい浮かんできてパニックになったりする。
ドアの取っ手や机を除菌ペーパーで拭かないとさわれない。握手もできないほどの極端な潔癖症。
脅迫性障害であり、後天的サヴァン症候群。
そのため、学校にも行けず引きこもって、数学好きのサイトだけが友だちだった。
しかし、おばあちゃんはそんなのはほんとうの友だちじゃないと言う。
そして、無理矢理公立の中学に行くことになった。
そこでも変人扱いされからかわれるのだが、ウィンディーとリーヴァイがグループ学習の仲間になり、やがてほんとうの友だちになっていく。
パイ(π)という捨てられた犬の命を助けるために手を尽くしていくうちに、数字や計算では正解が出せない問題にも立ち向かっていくようになる。
裏切られて自暴自棄になった時、いつもふざけて文句ばかり言ってたリーヴァイが支えてくれたのが心強かった。
リーヴァイみたいな人になりたいな。