いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

ぼくはO・C・ダニエル

OCD(強迫性障害)の男の子ダニエルの物語。

主人公ダニエルは、同じ年ごろの作者自身の体験をほぼそのまま物語にした姿だそうだ。

なんて大変な障害なんだろうと思う。

寝る前に「儀式」をしないと安心して眠れない。

洗面所まで何歩で行き、歯磨きは何回すると決まっている。

部屋の明かりのオンオフを何度も繰り返す。

間違ったらやり直し。

歯磨きは何度もやり直して、口の中が血だらけになる。

これをしないと死んでしまうとか、悪いことばかり起こるという強迫観念にとらわれて気が休まる暇がない。

ダニエルは自分がOCDだと知らずに、一人でずっと悩んでいた。

いやいややらされているアメリカンフットボールも万年給水係。

他の選手のようにイケてるグループには入れない。

いつも自分のことはダメだと思っている。

ところが、サイコ・サラと陰で呼ばれているサラと知り合ってから、サラのパパを探す計画に手を貸すようになって、どんどん日常が変わっていく。

そして、サラからOCDのことを教えられる。

アメフトの試合でもたまたまヒーローになってしまう。

でも、だからといって、強迫観念や強迫行為は収まることがない。

それでも、少しずつ前向きになっていく。

訳者の大西昧さんは、この本が翻訳デビュー作だそうだ。

 

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