著者は写真家さんなんだろうか。
パリで暮らしている。そこで飼っていたブブという猫を火事で亡くす。
もしかしたらどこかで生きているかも、となかなか諦めきれない時に、たまたまヌヌという猫を飼うことになった。
ヌヌはウンチビと名前を変えて、16年間著者といっしょに暮らすことになる。
かわいがりすぎると長生きしないからと、抑え気味に付き合ってたようだけど、次のような文からどれだけ大切にしてたかが伝わってくる。
「ボロボロになった椅子も、ウンチビがやったと思えば愛着も湧く。」
「できるなら長生きして欲しい。ずっとそばにいて欲しい。しかしいつか、その日はやって来るだろう。私にできることといえば、もうその日まで、思いきりかわいがってやることくらいなのかもしれない。」
猫好きの人なら誰でも思い当たる気持ちだろう。
猫の寿命は、14歳と16歳がターニングポイントだそうだ。
16歳を越えて、ウンチビも体調を崩す。
あんなに肥えて重かったのに、片手でひょいと持ち上げられるまで痩せてしまう。
点滴を著者も自分でやってみる場面がある。我が家と同じだ。
まだその時には、ウンチビはチューブをつけたまま走って逃げていく体力があった。
そのあとはどんどん弱っていって、読んでいるのが切なかった。
ウンチビの分まで、我が家の猫たちには長生きしてもらいたい。