ポール・モーシャ作。
主人公は反抗的でなげやりで、髪の毛を緑に染め、世の中を呪っているような12歳の少女。
ママはドラッグがやめられずに死に、いやいや育ててくれてたおばあちゃんも亡くなった。
それで、カリフォルニアの田舎町からシカゴまで、監察官のドロシアに付き添われて列車で連れていかれる。本人の意見は何も聞かれずに。
お金がなくて盗みや規則違反を繰り返すが、列車に乗り合わせたアムトラックの職員や客の中には、彼女の悪事に気づかないふりをして優しく接してくれる人がいた。
誕生日のお祝いの場面あたりから、主人公ライダーの気持ちが変わってくる。
それでも、本心を打ち明けたりできず、トイレの鏡に映る自分を殴りつけて血を流したり、便器やドアを蹴って大暴れしてしまう。
彼女の少しの希望に明かりを灯し続けた人たちが、列車を降りる頃には家族のように思えてくる。
読み終わってから、作者が男の人なのに驚いた。二人の娘の父。列車に乗ることを愛してる人だそうだ。