いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

迷い子

地図では道があるので、どんどん進む。
どんどん山の奥に分け入っていく。
地元の農家の方が歩いてるのを追い越してしばらくいくと別れ道。
うーん、どっちだ。
左を選んで行きかけると、さっきのおじさんが追いついてきて、そっちは行き止まりと叫んでる。
どっちの道も、イノシシとタヌキしかいない、と教えてくれる。
もうちょっとしたら、シカも来るけどなやて。
人はおらんし、何にもないで。どこまで行くん、とききはるので、とりあえず黒江の方へ、と言っとく。
行き先よりもこの道通るのが目的なのだ。
それやったら、県道で行った方がええで、こんなとこ通られへんから迷ってまうわ、と何度も言ってくれたが、迷い子になってきますわ、と強引に右の道を選んだ。
確かにここしばらく、誰も通ってないような道。
不気味な沼の横も通った。
でも、坂はそんなに急ではなく、谷を越えて次の人里に下りてこれた。


ところが、地図を見るとなんかおかしい。
南に向かってると思ってたのに、北向いてる。
何度か確かめたけど、やっぱり180度方向感覚がずれてた。


迷い子になるとは、こういうことなのですね。