いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

月湧いて大江流る

杜甫の詩からとった題名だそうだ。
散髪屋さんから借りた。
そこの散髪屋さんに来られていたそうだ。
府立高校の校長を務めた人。
学徒動員で中国へ送り込まれ、死線をさまよった。
奇跡的に生還して、京大で哲学を学ぶ。
そんな人が近所におられたのだ。
癌で伏せってはるときに、散髪に行きたいと布団の上に起き上がられたらしい。
おうちまで行って、散髪してあげればよかった、と本を貸してくれた散髪屋の奥さんが言っていた。
とても気さくな人で、真面目に生きすぎたので、もっと楽しめばよかったと晩年言ってはったらしい。
会ってみたかったなあ。