いちばんべったこ

tabi noti dokusyo tokidoki guti

最長片道切符の旅

これも岸本先生の形見分けでもらった一冊。
南部へも串本へも連れて行きました。
そのときの旅より、本の中の旅の方に引き込まれたりしたものです。
北海道の広尾から鹿児島の枕崎まで、一筆書きでできるだけ遠回りしての鉄道の旅です。
今は廃線になってしまったローカル線が生き生きと描かれていて、今でも走っていそうな気になります。
前回の「2万キロ」でもすごかったですが、今回も引けを取らない大旅行でした。
でも、その日の終着駅について奥さんに電話すると「上の子がまた扁桃腺を腫らした」とか「運動会で二等だった」と教えられて、ぼくだったらすぐにでも旅をやめてしまうところですが、宮脇さんは動じない。いや、動じなくはないんでしょうが、自分のやっていることが好きでたまらない。
そんな熱意をかけらも見せない文章のうまさもこの人の魅力です。